ちゃんと知りたい「幼保一元化でメリットを受ける人」と「保育施設の違い」

 

幼保一元化が議論されるようになって、10年以上が経過し、幼い子どもたちを預ける場は保育園、幼稚園、認定こども園と多様化しています。幼保一元化の目的と制度について理解することは、子どもの「育ち」をよりよく選ぶためにも重要です。本記事では、幼保一元化の概要や、メリットについて解説します。

 

幼保一元化の目的と概要

幼保一元化とは、幼稚園と保育園の一元化を目指す政策をいい、幼保一体化と言われることもあります。もともと、幼稚園は教育の一環として文部科学省が管轄し、保育園は福祉サービスという観点から厚生労働省が管轄しており、法令や対象年齢、分布、設備などが異なっており、それが近年の子どもたちや若い親世代の状況に合わなくなっていました。

 

幼保一元化は、幼稚園と保育園の制度的な差異をなくし、保育を必要とする保護者の選択肢を拡大することを目的としています。夫婦が共働きの世代が増えているのが、社会変化上の最も大きな要因といえるでしょう。フルタイムで働くと幼稚園に預けることができない家庭や、保育園では子どもたちに十分な教育の機会を与えられずそのために共働きが難しい家庭などに新たな選択肢を提供し、待機児童の解消などにつなげる狙いがあります。

 

 

幼稚園、保育園、認定こども園の違い

幼保一元化といっても、原則的には方向性の話であり、強制力をもって行われているものではありません。そのため、幼稚園や保育園といった従来の施設が急になくなることはありません。幼保一元化によって新しく生まれたのが、「認定こども園」と呼ばれる施設で、現在のところは幼稚園と保育園のいいとこ取りといえる施設となっています。テーマ別にそれぞれの施設の違いを見てみましょう。

 

■対象年齢

  • 幼稚園:3~5歳
  • 保育園:0~5歳
  • 認定こども園:0~5歳

 

対象年齢では、幼稚園は教育が可能と考えられる年齢からとなっています。

 

■教育・保育時間

  • 幼稚園:9~14時(※それ以降の時間の預かり保育を実施する園もあり)
  • 保育園:7時~18時(※園によって異なる。時間外の延長保育を行う園もあり)
  • 認定こども園:7~18時(※園によって異なる。また、認定によっても異なる)

 

教育・保育の時間は上記の通りですが、幼稚園では保育を必要とする家庭のために17~18時頃まで預かり保育を行っている園もあります。認定こども園では、子どもが1号認定もしくは2号認定かで預かることのできる時間が変わり、1号認定なら幼稚園と同じく9~14時、2号認定なら保育園と同程度の時間預かってもらえます。また、夏休みや冬休みなどの長期休暇が幼稚園にはありますので注意が必要です。

 

■教育・教員

教育については、国の方針に基づき、同程度の教育を行うように求められています。ただし、あくまで国の方針は最低限度のものであり、実際には園のもつ施設やノウハウなどの差によって教育の質に差があることは否めません。一般的な保育園と幼稚園における差が縮まり、こども園でもほぼ同等と考えておくとよいでしょう。

 

教育を担当する教員は、幼稚園では幼稚園教諭が、保育園では保育士が担当します。子ども園では、「保育教諭」と呼ばれる教師が担当しますが、保育教諭は幼稚園教諭と保育士の両方の資格を持っていることが必要です。現在は移行期間中ということもあり、両方の資格を持っていなくても保育教諭となることができ、またいずれかの資格保持者であれば必要宇単位が一定数免除されるなど、両方の資格を取得しやすくなっています。

 

■設備・給食

設備や給食については、園による差が大きいのが実情です。保育園における給食設備は必須ではなくなり、こども園や幼稚園では外部業者に委託するなどして体制を整える園が多いです。月に数回はお弁当の日があったり、土曜や祝日などはお弁当やケータリングという園もあります。教室の数や面積、園庭や遊具、教育に必要なさまざまな設備などは施設によってさまざまで、簡単には差は埋まらないため、見学して確認するのがよいでしょう。

 

■その他

保育施設という面が強い保育園や、認定こども園では両親の就労状況によって入所のしやすさが変わり、希望者が必ず入れるとは限りません。幼稚園の場合は、応募状況によって面接などで選考が行われることがあります。

 

費用については、一般的には低い順から保育園、認定こども園、幼稚園です。地域や園によって費用は変わりますのでそれぞれ確認するのがよいでしょう。園の費用だけではなく、給食費や教材費が別途かかるのが一般的です。

 

 

幼保無償化における違い

幼保無償化の制度が2019年10月から運用され、最大で月額37000円の教育費の補助を受けることが可能になりました。しかし、現状の制度では児童の扱いに違いがあることが問題になっています。

 

  • 幼稚園:満3歳(3歳になった日)から適用
  • 保育園:3歳児クラスに通う子供(4月1日に3歳の子供)から適用
  • 認定こども園:施設の性質による(上記のどちらかが適用される)

 

生まれた時期によっては、支給期間が11カ月変わり、総計で40万円ほど違うため、誕生月が早い(4月に近い)子ほど幼稚園や幼稚園型の認定こども園を選ぶ傾向です。

 

 

幼保一元化でメリットを受けるのはこんな人(家庭)

最後に、幼保一元化でメリットを受ける人(家庭)について一例を紹介します。

 

■もともと保育園を考えていた共働きの家庭

幼保一元化では、もともと保育園を考えていたならデメリットはほとんどありません。共働きの状況によって、1号認定か2号認定が変わりますが、フルタイムの共働きなら2号認定がとりやすいです。一般的な保育園よりは教育の質も高くなることが多くメリットが大きいでしょう。

 

■早く3歳を迎える子の親

幼保無償化の関連で、早く3歳を迎える子の親は幼稚園だけでなく、幼稚園型の認定こども園も支給が早くなります。教育費にかける負担が減るメリットは大きいです。

 

■お弁当の準備が難しく幼稚園を選べなかった家庭

幼保一元化により、給食を支給する幼稚園も増えてきています。そのため、お弁当の準備が難しかった家庭でも、選べる幼稚園が増えました。保育園やこども園は教育の質や周囲の雰囲気が心配という人でも、給食の問題で選択肢が制限されないことはメリットです。

 

まとめ

幼保一元化によって認定こども園が誕生し、制度も複雑になって園選びに悩まれる方も多いでしょう。しかし、選択肢が広がった分、きちんと知識をつけることでもっと家庭や子どもの状況にあった園選びができるようになっています。ご家庭の園選びや教育プランづくりに、本記事を参考にしていただければ幸いです。

   

 - 保育教諭