心理学者ジャン・ピアジェとは?子どもの発達に詳しくなる!ピアジェが提唱する4つの発達段階!

 

ジャン・ピアジェとは、20世紀において最も影響力が大きかったとされる心理学者のひとりで、ジャン・ピアジェの心理学は保育や教育の分野においても大きな影響があるとされています。

ここでは、ジャン・ピアジェの人物像や、ジャン・ピアジェが提唱する発達理論や道徳観などを紹介していきます。

 

ジャン・ピアジェとはどのような人物?

ジャン・ピアジェの心理学や理論は20世紀において最も大きな影響を及ぼしたとされていますが、どのような生い立ちや人間性によって理論や考え方が生れたのでしょう。

ここではまず、ジャン・ピアジェとはどのような人物であったのかを追ってみたいと思います。

僅か10歳で論文を発表

冒頭でもあったように、ジャン・ピアジェ20世紀において最も影響力が大きかったとされる心理学者のひとりです。

1896年8月9日、スイスのフランス語圏であるヌーシャテルで生まれたピアジェは、1907年僅か10歳の時に、白スズメについての観察を論文にまとめ、「ヌーシャテル博物学雑誌」で発表したとされています。

わずか1項だけの論文ではありましたが、ヌーシャテル自然史博物館の館長にその論文が認められ、週2回その館長の元で非常勤の助手を勤める機会を与えられたとされています。

僅か10歳で論文を発表したことにも驚きですが、その論文が認められ非常勤で館長の助手まで務めるとは、さらに驚かされます。

因みにピアジェは、この頃から「生物学が認識論の諸問題を解決する糸口を持っているのでは」という考えを持つようになったそうです。

青年期から精神分析学に関心を持つようになる

ピアジェは少年期において生物学に関するさまざまな論文を発表していましたが、青年期からは精神分析学に関心を持つようになり、1921年にはジュネーヴにあるジャン=ジャック・ルソー教育研究所の所長として、教育学・児童心理学の研究を進めていきます。

その後ピアジェは、教育学・児童心理学の研究を進めると同時に、複数の大学で心理学や社会学などを教えるなど、精力的な活動を行い、1955年に発生的認識論国際センターを立ち上げました。

ピアジェは、発生的認識論国際センターの立ち上げから1980年に亡くなるまでそこのセンター長として研究を続け、心理学者として生涯現役でその人生の幕を閉じました。

因みにピアジェは3人の子どもに恵まれており、その子ども達の知的発達を観察していたことなどを考えると、自分の研究に一切の妥協がなかったとも言えます。

ジャン・ピアジェの4つの発達段階とは?

ピアジェの代表的な理論に「発生的認識論」というものがあります。

これは「人が成人として最終的な段階に達する前に、子どもは感覚運動期、前操作期、具体的操作期、形式的操作期の4つの段階を経るというものである」という考えの元から生まれた理論とされています。

ここでは、ピアジェが提唱する4つの発達段階を項目別に紹介していきます。

感覚運動期

ピアジェは0歳~2歳の乳幼児期を「感覚運動期」とし、反射的な行動を使って外との接触を持ち、成長の土台を持ち始める時期と考えます。

感覚運動期では、3つの認知機能が発達するとされています。

循環反応  

 

例えば「指のおしゃぶり」「おもちゃを振り続ける」など、同じ行動を繰り返し行うことで、自分の体や物の存在を確認します。

 

対象物の永続性  

対象がたとえ視界から見えなくなっても存在し続ける認識のことを言い、例えば「すぐそばにおもちゃはないが、おもちゃ箱にしまってある」「そばに母親はいないが別の部屋にいる」などの認識がそれにあたります。

 

シンボル機能  

 

物事を象徴的に捉え、認識できる機能で、例えばイラストの犬と写真の犬を見せた際、「どちらも犬だ」と認識することができる機能です。

 

前操作期

2歳~7歳を前操作期と呼び、この時期は言語機能・運動機能ともに発達が著しいとされています。

この時期は共感力や論理的思考力が未発達のため、自己中心的な思考や行動パターンになることが多いです。

前操作期には以下の3つの特徴がみられるとされています。

自己中心性  

 

自分の視点でしかものを考えられないため、他者の気持ちを思いやることが難しく、自分の行動や言動を振り返って反省することができません。

 

 

保存性の未発達  

この時期の子どもは理論的思考が難しいため、理屈で物事をとらえることができません。例えば、TVに登場する特撮ヒーローとヒーローショーに登場するヒーローは外見が同じであっても中で演じている人は異なりますが、この時期は違いを理解することが難しいです。

 

アミニズム的嗜好  

 

物や事柄を擬人化させる傾向のことで、例えばぬいぐるみや人形などに話しかけたり、それを使っておままごとしたりなどが、それにあたります。

 

 

具体的操作期

7~11歳の時期を具体的操作期と呼び、この時期から論理的思考力が発達していくため、相手の気持ちを考えた行動がとれるようになります。

数的概念も理解できるようになる時期なので、物の重さや長さ、距離などの理解もできるようになってきます。

具体的操作期には以下の2つの特徴がみられます。

保存性の習得 物事を理論に捉え始める時期であり、物の仕組みなども理屈で考えることができるようになります。
脱自己中心性 コミュニケーション能力が発達し始めることによって、自己中心的な考え方から脱却し、共感力が育ち始めることで、相手の気持ちを考えて行動できるようになります。

形式的操作期

11歳以降の時期を形式的操作期と呼び、この時期から物事に道筋を立て予測を交えて考えることができるようになります。

「物事を広い視点で考える」「説明や映像などから具体的なイメージを描く」など、抽象的思考ができるようになるのもこの時期からとされています。

ジャン・ピアジェの道徳観

ジャン・ピアジェは、「子どもの道徳観にも2つの発達段階がある」と主張し、以下の2点の道徳観がそれにあたるとしています。

他律的道徳観(5~9歳)

この時期の子どもには「他人の作ったルールや法律に従うこと」が、道徳として信じているとし、プロセスよりも結果で善悪の判断をしているとしています。

例えば、うっかりしてジュースを大量にこぼしてしまったA君と、遊んでいて少しだけジュースをこぼしてしまったB君がいたとします。

この場合、どちらが悪いかを尋ねると「A君の方が悪い」と答えてしまうのが、この時期の特徴のひとつとされています。

自律的道徳観(9~10歳)

この時期の子どもは自分自身のなかにあるルールに左右されるようになるとし、ルールや法律だけではなく、他人の視点からも物事を考え、他人の意図や状況も考慮に入れて考えることができるようになります。

つまり、結果だけではなく、それに至るプロセスをしっかりと認識し、それによって善悪の判断を自分なりに導き出すということになり、より大人に近づいていく時期でもあると言えるでしょう。

 

ピアジェ教育とは?

ジャン・ピアジェの心理学からなるピアジェ教育とは、「自由に運動をさせる」、声掛けやスキンシップなど「コミュニケーションをしっかりととる」、この2点がピアジェ教育のベースになると言えます。

上記でも紹介した4つの段階(時期)に応じた「自由に運動をさせる」「コミュニケーションをしっかりととる」、この2点をしっかりと行い、子どもの発達・成長を見守ることが、ピアジェ教育では大事であると言えるでしょう。

まとめ

ここでは、ジャン・ピアジェの人物像や、ジャン・ピアジェが提唱する発達理論や道徳観などを紹介していきました。

この記事を通してみると、ジャン・ピアジェが提唱する道徳観や保育・教育論は身近でも実感・実践できるごく自然の保育・教育とも言えます。

保育・教育は難しく考えると混乱し行き詰まることもありますが、ここで紹介したジャン・ピアジェの理論のように、当たり前のことを見つめ直せばより自然体で効果的な保育や教育に取り組めるのではないでしょうか。

   

 - 保育士になるには