保育園の私立と公立の違いは?~保育士向け~

 

 

保育園で働く選択肢として、公立保育所と私立保育園で迷う保育士さんは多いのではないでしょうか?公立と私立共に、児童福祉施設であることと、保育所保育指針に沿った保育を行っていることに違いはありません。

しかし事業主の種類が違うため、働く保育士はその違いを理解して自分の希望に沿った選択をする必要があります。今回は、「働く上での待遇」、「人間関係」「キャリアアップ」の3つの観点で、その違いを見ていくことにしましょう。

 

働く上での、待遇の差は?

まずは、待遇の違いから見ていきましょう。給与面では、公立保育所の場合は雇用状況によって大きな差があります。正規職員として採用された場合は、市区町村の公務員等扱いになります。所得としては、保育士の平均所得で月額303,113円となっています。私立保育園の301,823円に比べると、若干高いです。(参考:令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の 経営実態調査集計結果https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/data/pdf/chousa/kekka.pdf

しかしながら、主任保育士になると公立保育所の方が平均所得で月額14万円程度高くなります。公務員ということもあり、公立保育所の場合は長く勤めるほど給与が上がっていくシステムであることは間違いありません。また、臨時職員として採用された場合は、公立私立ともに日給で働くことも多く、いずれも正規職員の6〜7割の所得となります。その場合、就労時間や責任については、正規職員と同様の場合もあれば正規職員の補佐の場合もあるため、確認が必要です。

休みについては、一般的に私立保育園の方取りやすいと言われています。その理由としては私立保育園の場合、事業者の裁量で人材確保が叶うため、就労している保育士数が多いということが挙げられます。また、バースティ休暇や、就学前の子どものための看護休暇など、独自の休暇制度を設けている私立保育園もあります。

 

気になる人間関係に違いはある?

公立保育所は「異動」があります。公立保育所と私立保育園の大きな違いの一つです。そのため、人間関係が固定されにくいという利点があります。また、施設長や主任保育士も一定の年数で移動があり、公立の学校と同じ仕組みです。いろいろな園で、いろいろな人と働いてみたいという保育士にとっては、移動がある公立保育所は魅力的かもしれません。私立保育園でも、多くの施設を抱えている法人が母体の場合、異動が起きることもありますが、人材不足や開園による異動であることがほとんどです。

保育方針については、公立保育所も私立保育園も園ごとに作成されています。公立保育所の場合は、定期的に施設長が変わることもあり、保育の特色として現れにくいといえます。私立保育園の場合は予算面にも裁量があるため、保育方針が園の特色として保育の中で実践されやすい傾向にあります。

キャリアアップとして有効なのはどっち?

保育士等キャリアアップ研修が実施されるようになり、3年が経ちます。それ以前は、保育士は国家資格でありながら免許更新制度や法定研修制度が整備されていませんでした。保育士の専門性が保障されるための制度として始まったキャリアアップ研修ですが、私立保育園の保育士の処遇改善とセットで進んでいるため、公立保育所の保育士は対象となっていません。

また、私立保育園の場合は、予算の裁量や保育方針の実現に向け柔軟に運営されているため、園内研修や研修派遣制度が充実している園も多くあります。

公立保育所は市区町村が研修を組んでいるため、自治体によって研修制度が大きく違います。大学や研究者とともに、保育の質の向上に積極的に取り組む自治体もあれば、年に1〜2回の集合研修で対応していることもあります。

また公立保育所は民営化が進んでいます。公立保育所で正規職員として勤務している場合は、行政職へ異動することになります。そのため保育所の現場で、主任保育士や施設長の役職につく可能性は減っている事実があります。行政職と言っても事務的なことだけでなく、幼児教育アドバイザーや私立保育園の指導担当など、現場をサポートする立場の保育士として活躍することもあります。

以上のことから、「乳児保育に特化したい」「障害児保育を専門にしたい」といった、スペシャリストとしてのキャリアアップを目指す場合には、私立保育園が有効と言えます。そして保育を「制度的に」「間接的に」「市民とつながりを持って」ということを視野に入れているのであれば、公立保育所が有効と言えるでしょう。

いずれにせよ、時代によって変わっていくことを頭に入れながら、自分自身が「どんな保育士になりたいか」を明確にしておくことが必要です。

 

まとめ

いかがでしたか。事業主によって、様々な違いが生まれることをご理解いただけたと思います。ご自身が大切にしたい価値観によって、選択が変わってきます。給与面で安定し将来的に所得を上げたいか、保育士という資格を活かし極めたい分野があるか。など、ご自身の考えを整理してみることからスタートしてみましょう。

 

   

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