幼稚園教諭の仕事内容は?幼稚園教諭の主な仕事内容や待遇などを詳しく解説!
幼稚園教諭は一般的に「幼稚園の先生」と呼ばれる職業で、保育園で働く保育士とは似ているようで異なる職業です。
ここでは、幼稚園教諭の概要や仕事内容の解説や、保育士との待遇の比較データなどを詳しく紹介していきます。
Contents
幼稚園教諭とは?
幼稚園教諭とは公立や私立などの幼稚園に勤務する教員のことを言い、小学生までの子供とふれ合うと言う意味では保育士と同じように思えますが、保育士が「子供の生活習慣を養う」ことに対し、幼稚園教諭は「子供の教育を行う」ことを目的としているため、保育士と幼稚園教諭は似ているようで異なる職業であると言えるでしょう。
幼稚園教諭の概要
主に幼稚園において園児の教育や保育を行い、各幼稚園の教育方針に基づいて作られたカリキュラムに沿って、園児の創造力を高めたり、社会生活に必要となる協調性や決まり事などを教育することなどが、幼稚園教諭の仕事の目的と言えます。
また教育の他にも、園内の安全や園児の健康面など、園児の保護管理も幼稚園教諭としての重要な仕事になります。
必要となる資格
幼稚園教諭になるためには、幼稚園教諭普通免許状と呼ばれる資格が必要となります。
幼稚園教諭普通免許状は、「一種免許状」「二種免許状」「専修免許状」の3つの種類に分類され、大学院や大学、短大の養成課程などでそれぞれ取得することが可能です。
免許の種類によって仕事内容に違いはありませんが、例えば一種免許状を持っている場合は、将来的に園長職に就くことができるため、免許の種類によってキャリアアップや給与などに差が付くこともあります。
取得条件 | |
一種免許状 | 幼稚園教諭を養成する教育課程があると文部科学省が認めている大学及び、短期大学専攻科の卒業 |
二種免許状 | 幼稚園教諭を養成する教育課程があると文部科学省が認めている短期大学・大学短期大学部及び、専門学校を卒業 |
専修免許状 | 幼稚園教諭を養成する教育課程があると文部科学省が認めている大学院修士課程を修了 |
幼稚園教諭免許は切り替えることが可能です。例えば持っている免許の種類は二種免許状で「将来園長職を目指したい」など、将来的にキャリアアップしたい方などは、二種免許状から一種免許状へ切り替えることが可能です。
取得条件が異なる一種免許状と二種免許状ですが、免許の切り替え際は、最初から一種免許が取得できる大学に通い直す必要はなく、「幼稚園教諭として5年以上の実務経験」「必要単位の取得」この2つの条件をクリアすれば、二種免許状から一種免許状へ切り替えることができます。
幼稚園教諭の主な仕事内容
上記の「幼稚園教諭の概要」でも少し触れましたが、ここからは、幼稚園教諭の主な仕事内容について、項目別に解説していきたいと思います。
保育指導
幼稚園の教育方針によって作られたカリキュラムに沿って教育及び保育を行うのが、幼稚園教諭のメインの仕事になります。
教育の内容は幼稚園によってさまざまですが、文字の読み書きや、音楽・工作などといった文学や芸術性を養う基本的な教育の他にも、英語や計算、鼓笛などを独自に取り入れている幼稚園も多くあります。
安全面や健康管理
幼稚園教諭は、園児の生活習慣を養うことも仕事の目的としてあるため、園児の安全面や健康を管理することも重要な仕事のひとつになります。
例えば昼食時には園児の様子を観察しつつ会話を通じて食育などを行い、昼食後には歯磨きをさせるなど生活習慣を定着させたり、自由遊びの時間では、園児が怪我をしないように安全面に注意を払うなど、常に園児の安全面や健康面に気配りすることが大事です。
行事指導
園児の協調性を養う上でも、団体行動が必要となる行事指導は大事な項目であると言えます。
幼稚園は保育所とは違い行事が多く、幼稚園教諭の残業は行事が多いことが大きな要因としてありますが、この行事をしっかりと園児に指導することによって、園児の協調性を養うことができます。
行事では団体行動が必須になるため大変ではありますが、達成感を園児たちと味わえるので、やりがいのある仕事のひとつだと言えるでしょう。
事務仕事
幼稚園は保育園とは違い延長保育などがないため、14時には園児が降園します。
ですが、園児が降園したからと言って業務が終了するわけではなく、事務仕事や掃除、翌日の準備など、裏方の仕事をこなす必要があります。
登園・降園の準備
園児たちを無事迎え入れて、無事降園させるまでも幼稚園教諭の仕事なので、毎日の登園・降園の準備は大事な仕事のひとつです。
登園前の準備であれば、教室や事務所の整理整頓、登園した園児の確認作業、降園時であれば、お見送りやバス送迎に同伴など、園児の安全面を確保する意味でも、登園・降園の準備は大事な仕事だと言えるでしょう。
幼稚園教諭の待遇は?
幼稚園教諭の概要や仕事内容はわかりましたが、幼稚園教諭を目指している方にとって、幼稚園教諭の給与や勤務時間などの待遇は特に気になるところです。
ここからは、幼稚園教諭と保育士を比較して、幼稚園教諭の待遇面について分析していきます。
平均年収
幼稚園教諭 | 平均月給 23万円前後 |
保育士 | 平均月給 23万円前後 |
幼稚園教諭、保育士共に平均月給は23万円前後と、月給による2つの職業に大きな違いはないようです。
ですが、幼稚園教諭、保育士共に働く幼稚園や施設、またエリアによって加算される手当や賞与などに違いがあるので、「幼稚園教諭か保育士か」というよりは、働くエリアや幼稚園・施設、自身が持っている経験や知識などに応じて年収が変動すると言えるでしょう。
勤務時間
幼稚園教諭 | 平均 約8時間 |
保育士 | 平均 約8時間 |
こちらも、幼稚園教諭、保育士共に勤務時間に大きな差はないと言えます。
ですが、保育園の場合はシフト制を導入しているところが多く、変則な勤務時間になりがちですが、幼稚園の場合は固定勤務のため、決まった時間に帰宅できるケースが多く、また夏や冬に長期休みが取れる点も、幼稚園教諭の魅力のひとつだと言えるでしょう。
固定勤務のためプライベートの予定も組みやすいのが幼稚園教諭の魅力ですが、幼稚園の場合は保育園と違い行事が多いため、行事で忙しいシーズンは残業が発生しやすくなります。
そのため、普段であれば夕方には帰宅できるところ、行事の多いシーズンでは夜遅くの帰宅が何日も続いたりもするため、その点はデメリットと言えます。
キャリアアップは?
幼稚園教諭 | 園長職などキャリアアップあり |
保育士 | 保育園以外の職場でも働ける |
上記の「必要となる資格」でも解説しましたが、幼稚園教諭はもっている免許の種類によって就ける役職が異なるため、キャリアアップのためには目指す役職に応じた免許が必要となります。
また、幼稚園教諭免許の場合は、種類は問わず幼稚園でしか働くことができないため、幼稚園でのキャリアアップを目指すことが前提となります。
一方の保育士は、幼稚園教諭とは異なり、乳児院や児童養護施設、病児保育などの保育園以外でも働くことができるので、仕事の幅は幼稚園教諭よりも広いと言えます。
幼稚園教諭のメリット・デメリット
ここまでの幼稚園教諭の概要や仕事内容、保育士との比較を踏まえた上で、幼稚園教諭のメリット・デメリットをまとめてみました。
メリット
- より教育的な仕事ができる
- 長期休暇が取りやすい
幼稚園教諭のメリットにはこれらのことが考えられ、幼稚園教諭の場合は保育士とは違いより教育的な仕事ができる点が大きなメリットと言えます。
幼児の発達を教育の面から養い見守ることができるので、その分やりがいも達成感もあります。
また、上記の「勤務時間」でも少し紹介しましたが、基本長期保育を実施する保育園とは異なり、幼稚園の場合は夏と冬に長期休園をするケースが多いので、幼稚園教諭も長期休暇が取りやすい環境にあり、これも大きなメリットと言えるでしょう。
デメリット
- 子供とふれ合う時間が少ない
- 幼稚園でしか働けない
幼稚園は園児を受け入れて降園させるまでの4時間~5時間が、一日で園児とふれ合える時間になります。
園児を受け入れる年齢も、保育園は0歳児からですが、幼稚園の場合は3歳以上からなので、保育園と比べると全体的に子供とふれあう時間が少ないと言えます。
また、幼稚園教諭免許は保育士資格のように保育園以外で働くことができず、幼稚園でしか働けない点もデメリットと言えるでしょう。
まとめ
ここでは、幼稚園教諭の概要や仕事内容の解説や、保育士との待遇の比較データなどを紹介してきました。
一般的に知られている「幼稚園の先生」としての仕事や、一般的に知られていない裏方の仕事など、幼稚園教員の業務はさまざまですが、子供とふれあい教育的に保育するという点は、どの幼稚園、エリアでも同じなので、幼稚園教諭を目指している方や、幼稚園教諭で転職を検討されている方などは、自分のスタイルや志などをしっかりと踏まえた上で、それに合った幼稚園やエリアを選んで働きましょう。